「従業員が掃除する時代」はもう終わり? 人件費・生産性から考える“清掃を外部委託する本当の理由”

「従業員が掃除する時代」はもう終わり?
 人件費・生産性から考える“清掃を外部委託する本当の理由”

「従業員が掃除する時代」はもう終わり?
人件費・生産性から考える“清掃を外部委託する本当の理由”

昔は「当たり前」だったことが、今は「見直しの対象」に

かつては、従業員が始業前に掃除をするのが当たり前でした。
「掃除も仕事のうち」「みんなで職場をきれいに保つのが美徳」──という考え方は、いまも根強く残っています。

しかし今は状況が大きく変わっています。
働き方改革や最低賃金の上昇が進む中で、掃除に使う時間も立派な“業務コスト”として考える時代になりました

人手不足や人件費の高騰が続くなか、「掃除を誰が、いつ、どのように行うか」は、企業にとっても無視できないテーマになっています。

掃除の時間も“仕事”です。だからコストが発生する

多くのオフィスでは、始業前や終業後に従業員が10〜15分ほど掃除を行っています。
一見、わずかな時間に思えますが、これを人件費として換算してみると、意外な金額になります。

💡ちょっと試算してみましょう

従業員数:10名
掃除時間:15分(0.25時間)
時給:1,200円
稼働日:月20日

▶ 10名 × 0.25時間 × 1,200円 × 20日 = 月6万円 = 年72万円

年間にすると 72万円
この金額は、もはや「ちょっとした経費」ではありません

掃除は職場を整えるうえで大切ですが、本来の業務に集中すべき時間を削って行うとなると話は別。
「掃除も仕事」と言いつつも、その時間をどう使うかは経営判断の問題になりつつあります

最低賃金の上昇と人件費高騰──“昔のやり方”が通用しない理由

ここ数年、最低賃金は全国的に上昇を続けています。
特に都市部では、1,100〜1,200円台が一般的。10年前に比べて約2〜3割の上昇です。

当然、掃除を担当する従業員の「労働時間」にもこの単価が適用されます。
以前は“節約”のつもりで社内清掃を続けていた企業も、今では「本当に社内でやるべきか?」と考え直すケースが増えています。

しかも、人件費だけではありません。
人が足りない中で従業員が掃除を担当すると、早出や残業が発生したり、当番制への不満が出たりと、職場のストレス要因にもなります。

最低賃金の上昇と人件費高騰──“昔のやり方”が通用しない理由

💡 ポイント

✅ 掃除時間にも人件費が発生する
✅ 本来の業務に充てられる時間が減る
✅ 清掃の質にムラが出やすい
✅ 人材不足の中で「掃除の負担」が離職理由になることも

なぜ今、清掃を外部委託する企業が増えているのか

外部委託は「掃除をラクにするため」だけではありません。
職場全体の効率と雰囲気を整える手段として、導入する企業が増えています。
いくつかの実例を見てみましょう。

■ オフィスA(社員10名規模)
以前は従業員が交代で掃除を担当。
しかし、掃除当番の日は準備や業務スタートが遅れ、集中できない日も。
週2回の外部委託に切り替えたところ、朝の会議やクライアント対応に余裕が生まれ、全体の生産性が向上しました。

■ オフィスB(社員50名規模)
清掃当番をめぐって「誰がどの場所を掃除したか」「やり方が雑」など小さな不満が積み重なり、社内の雰囲気にも影響。
専門業者に委託したことで、従業員のストレスが解消し、「掃除をめぐる気まずさ」がなくなりました。

■ 幼稚園
先生方が園児の帰宅後に清掃を行っていたが、保育後の教室片付けや翌日の準備と重なり、残業が慢性化。
清掃を委託したことで、先生方の負担は大幅に軽減、保育に集中できる時間が増えました
また清掃の品質が安定して、安全な園運営ができます。

■ クリニック
スタッフが診療前に掃除を担当していたが、診療の準備が圧迫され、スタッフの早出が常態化。
外部委託により、スタッフは診療の準備や患者さん対応に専念できるようになりました。
またスタッフの負担軽減により働きやすさが改善、離職も減りました。

これらの事例に共通するのは、「掃除の時間を“業務時間”として再設計した」点です。

清掃の外部委託は“余計なコスト”なのか?

一見すると「清掃会社に頼む=コストが増える」と思いがちですが、実際は、“社内で清掃するコスト”が見えづらいだけというケースが多いです。
従業員の人件費や生産性まで含めたトータルコストで考えることが大切です。

💭見えないコストの例

・掃除時間中の人件費
・掃除用具や消耗品の購入・補充
・当番制の不公平感によるモチベーション低下
・掃除のムラによる衛生リスクや印象低下

清掃を外部に委託することで、これらの手間やコストを整理し、本来の業務に専念できる環境が整います

日常清掃を清掃会社へ委託する場合のコスト比較

清掃は「コストがかかる」から「価値を生み出す」時代へ

従業員が掃除する時代は、確かにありました。
しかし今は、働き方や人件費の考え方が大きく変化しています。

掃除の時間もれっきとした「仕事」であり、そこには人件費が発生します。
人手不足や最低賃金の上昇が続く中で、“従業員に掃除を任せる”ことが、必ずしも節約とは言えなくなりました。

清掃を外部に委託することは、単なるコスト削減ではなく、本来の業務に集中できる環境づくりにつながります
結果として、職場全体の効率や雰囲気が改善し、お客様や来訪者に与える印象も向上します。

つまり清掃は、「経費」ではなく「職場の質を高めるための投資」
時代に合った“働く環境の整え方”として、今こそ見直す価値があるテーマなのではないでしょうか。

お客様の声(家事代行のきれい家レオン)
日常清掃は委託するとコストが抑えられるって本当?

【参考】従業員で清掃する場合と、清掃会社へ委託する場合を徹底比較します
日常清掃は委託すると“コストが抑えられる”って本当!?

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