健康経営の第一歩!オフィスで取り組むべき花粉症対策とは

健康経営の第一歩!オフィスで取り組むべき花粉症対策とは

健康経営の第一歩!オフィスで取り組むべき花粉症対策とは

日本人の約2人に1人が花粉症に悩み、オフィスでもくしゃみや鼻水、目のかゆみによって業務効率が低下しています。
花粉症のせいで従業員が集中力を奪われ、本来の力を発揮できなければ、企業の生産性にも大きな影響が。もはや花粉症対策は、個人ではなく会社全体の課題といえるでしょう。

ビジネスパーソンが日中多くの時間を過ごすのはオフィスです。社員が集中して仕事ができるオフィスにするため、会社としてできる花粉症対策の取り組みを考えていきましょう。


花粉症対策が企業の成長を支える「健康経営」の第一歩

体調不良のまま出勤するもののパフォーマンスが低下する「プレゼンティーズム」は、企業の生産性に大きな影響を与えます。
政府が推進する「健康経営」では、従業員の健康が企業の成長につながるとされており、花粉症対策もその一環です。企業が対策を進めることで、業務効率の向上や企業イメージの向上、離職率の低下が期待できます。働きやすい環境を整えることは、生産性向上や人材の定着にもつながるでしょう。
実際に企業で行われている花粉症対策には、こんな取り組みがあります。

マスクなどの消耗品を常備

花粉症の症状を和らげるために、マスクや目薬、ティッシュ、花粉を除去できるウェットティッシュなどをオフィスに備えておくことで、従業員のセルフケアをサポートできます。また、空気清浄機の設置や定期的な換気も有効です。

花粉対策手当の導入

従業員のコスト負担を軽減するため、花粉対策アイテムの購入や医療費補助を行う「花粉対策手当」の導入を検討するのも一つの方法です。経済的な支援を行うことで、従業員が適切な治療を受けやすくなり、パフォーマンスの維持につながります。

セルフケア術について周知する

花粉症対策は企業側の支援も重要です。例えば、花粉の侵入を防ぐ服装の工夫、帰宅後の衣類や髪の花粉除去、適切な薬の使用など、セルフケアに関する情報を社内で共有することで、従業員の意識を高めるこができます。

「花粉対策手当」を導入した企業では、従業員の体調管理がしやすくなり集中力が高まり、残業時間の削減や営業の受注数増加といった成果につながったという事例もあります。

【参考サイト】
▶出典:「ACTION!健康経営(日本経済新聞社)」

では、オフィスで実践できる花粉症対策とは他にどのようなものがあるのでしょうか?

花粉を外から持ち込まない

花粉症対策で最も大切なことは、外から花粉を持ち込まないことです。
オフィスは、外回りをした社員が帰ってきたりお客様が来られるなど人の出入りが多いです。そのためドアの開け閉めで花粉が入り込んだり、人の体や衣服に花粉がついてきてしまうことがあります。完全に花粉をシャットアウトすることは難しいですが、次のような取り組みをすると、侵入する花粉の量を減らすことはできます。

花粉症の社員だけでなく、全員が行うことでオフィス内に入り込む花粉の量を減らすことができます

窓やドアを開けっ放しにしない

オフィスの窓やドアは必要なとき以外は閉めておきましょう。開けっ放しだと当然花粉も入り込みやすくなります。
レースのカーテンで花粉の量を抑えることもできますが、定期的に洗濯することを忘れずに。

換気は昼前後や夕方は避ける

窓を開けっ放しにすることは避けたいですが、オフィスの換気は従業員の健康維持に必要です。花粉は昼前後と夕方に多く飛散するため、花粉飛散の多い時間帯をさけて換気ようにしましょう。

花粉を落としてからオフィスへ

外回りから戻った際は、衣服や鞄についた花粉を手やブラシで払い落としましょう。粘着テープを使うのも効果的です。入口付近にブラシや粘着テープを用意しておくと便利です。

部屋の外で上着を脱ぐ習慣を

上着は部屋に入る前に脱ぐ習慣をつけましょう。外から戻った社員は、可能であれば更衣室や別室で上着を脱いでから部屋に入るようにします。入口手前にハンガーラックがあれば、お客様にも「こちらに上着をお掛けください」とお願いすることができます。

マスク屋内外で使い分ける

外で使ったマスクには花粉が付着しています。オフィスでは、花粉が舞わないようビニール袋に入れて保管・廃棄し、新しいマスクに交換しましょう。
社員のためにマスクやビニール袋を用意する企業もあります。

入口付近に空気清浄機を置く

入口付近に空気清浄機を置くと、外から入る空気中の花粉を減少させることができます。
オフィス内に花粉が広まる前に、入口で水際対策をしましょう。

【参考サイト】
▶出典:「花粉症予防行動に関する普及啓発について」(厚生労働省)


オフィス内に入り込んでしまった花粉はどうする?!

オフィスに花粉を持ち込まないよう努力をしても、完全に花粉をシャットアウトすることは不可能です。減らすことはできても、やはり多少は入り込んでしまいます。そして、少ない花粉にも症状が出てしまう人はたくさんいます。オフィスに入り込んだ花粉は、次のように減少させましょう。

空気清浄機を使う

入口付近に置くのが効果的な空気清浄機ですが、それをすり抜けて入り込んでしまった花粉は、室内に置いた空気清浄機で減らすことができます。社員が働いている近くにも空気清浄機を置き、社内の空気から花粉をできるだけ取り除きましょう。

加湿器を使う

雨の日は花粉の飛散が少ないと言われます。それは、雨の水分が花粉を包み込んで地面に落とすからだそうです。オフィス内で加湿器を使用すると、空気中の水分量が増し、その水分が雨のように花粉を包み込んで床に落としてくれます。 また加湿はのどや鼻の粘膜の保護にもなるので、花粉症の症状をやわらげる効果もあります。

掃除で花粉を取り除く

床に落ちた花粉が再び舞い上がると、体内に入りやすくなります。フロアモップやフロアシートで拭き取りましょう。ウェットタイプのものが拭き取りやすくておすすめです。 掃除機は風で花粉を舞い上げてしまうリスクがあるため、掃除機がけの前に拭き掃除をおすすめします。
また、デスクや棚の上にも花粉は落ちています。こまめに拭き掃除をすることで、オフィス内の花粉量を減らすことができます。

エアコンや空気清浄機のフィルターを掃除する

エアコンや空気清浄機のフィルターには、空気中の花粉をシャットアウトする機能があります。フィルターに花粉を付着させて、きれいな空気を吹き出しています。つまりフィルターには花粉がたくさん付着しています。花粉でフィルターが目詰まりすると性能が下がるだけでなく、その花粉が再び空気中に舞い散る可能性もあります。エアコンや空気清浄機のフィルターはこまめに掃除してください。

花粉症でない人の協力も欠かせません!

花粉症の症状がある人は、「室内でもマスクやめがねを着用する」「規則正しい生活や食事を心がけて、体調を整える」など自己防衛することも大切です。それで症状がかなりやわらぐこともあります。
しかし、花粉症は自己防衛だけでは防ぎきれません。花粉症でない人の協力も欠かすことができません。症状のない人は意識が低くなりがちですが、その人たちが持ち込んだ花粉で苦しむ社員もいるということを、各人が認識しなくてはいけません。

先ほど挙げた「花粉を外から持ち込まない」取り組みは、花粉症でない人も含めた社員一人ひとりが意識することで達成されます。
「ドアは開けたら閉める」「外から帰ったら服や鞄を払う」「上着は外で脱ぐ」など、社員全員で取り組めるよう会社として環境を整えましょう

オフィス内では、 「身の回りの拭き掃除をこまめに行う」「床掃除をしやすいように、床に物を置かない」などを全員が意識するようにしましょう。 これらを社員全員で取り組むことで、オフィスでの花粉症の影響を軽減させることができます。


いまや2人に1人は花粉症ともいわれる時代です。オフィス内にも花粉症で困っている社員が多くいるのではないでしょうか。個人の問題と放置していては、会社にも悪影響が出てくる可能性があります。そうならないために、オフィスでできる花粉症対策をしっかりと行いませんか。

この記事を書いた人

Hashimoto