ホワイトボードの汚れが落ちない!黒ずむ原因は?予防と清掃のコツ

電子化が進むオフィスですが、まだ多くの会社では会議や研修の時にホワイトボードが大活躍しています。サッと書けてサッと消せるホワイトボードは、予定を書き込んだりメモをするのにとても便利です。
しかし長く使っていると、イレイザーでこすっても消えにくくなったり、表面が黒ずんでしまうのが悩みですよね。
なぜ黒ずむのでしょう?原因がわかれば予防の対策もできますし、その汚れを落とす掃除の仕方もわかります。
ここでは、ホワイトボードの汚れが落ちにくくなる原因と予防対策、それに清掃方法について解説します。
なぜホワイトボードに書いた文字は簡単に消えるの?
そもそもホワイトボードに専用マーカーで書いた文字が、イレイザーでこすると簡単に消えるのはなぜでしょう。ホワイトボードと専用マーカーの仕組みについて簡単に説明します。
ホワイトボードの表面はホーローやアクリル・ウレタン樹脂で塗装されてツルツルしています。そしてホワイトボード専用マーカーと普通のサインペンとの違いは、『剥離剤』が含まれていることです。この剥離剤がホワイトボードのツルツルした表面に貼りついて文字が書けます。
インクはホワイトボードに直接付着せず、剥離剤の膜の上に乗っています。(イメージ図)

そしてイレイザーでこすると剥離剤とインクが一緒に拭き取られ、きれいに消せる仕組みです。
このように簡単に消せるはずの文字が、イレイザーでこすってもなかなか消えなくなってしまうのはなぜでしょう。それにはいくつかの原因が考えられます。
ホワイトボードが汚れる原因と予防策
《マーカーが原因の場合》
専用マーカーではないペンを使用した
ホワイトボード専用マーカーではなく油性ペンを使うと、イレイザーでは消せません。専用マーカーには剥離剤が含まれていますが、油性ペンには含まれないため、インクが直接ボードに付着し、簡単には落ちなくなります。
予防策:必ずホワイトボード専用マーカーを使用する
専用マーカーが経年劣化していた
専用マーカーでも、キャップが緩んで乾燥すると剥離剤が効果を発揮しにくくなります。また、立てて保管すると成分が偏り、インクのバランスが崩れることで剥離剤の効果が低下し、汚れが落ちにくくなります。
予防策:古いマーカーは使用せず、キャップをしっかりしめて横向きに置く
書いてすぐに消した
書いた直後は剥離剤がまだ十分に作用していないため、すぐにイレイザーでこするとインクが広がってしまいます。少し時間を置くことで剥離剤の効果が安定し、スムーズに消せるようになります。
予防策:書き損じた場合も、数秒置いてから消す
書いてから長時間放置していた
逆に、時間が経ちすぎると剥離剤が揮発し、インクがボードに固着して消えにくくなります。長時間放置した文字は、通常のイレイザーでは落としづらくなり、専用のクリーナーが必要になることもあります。
予防策:長時間放置せずに消す
《ホワイトボードが原因の場合》
表面のコーティングが薄くなった
長く使って書いたり消したりを繰り返すうちに、表面のコーティングが薄くなります。水拭きやアルコール溶剤の使用も剥がれの原因に。コーティングがなくなると細かな傷にインクが入り、汚れが落ちにくくなります。
予防策:水拭きやアルコール溶剤による掃除の頻度を減らす
表面に傷がついていた
汚れのついたイレイザーを使うと、固まった汚れがボード表面を傷つける原因になります。また、ホワイトボードに付着したごみを擦ると傷ができ、そこにインクが入り込むとイレイザーでは消せなくなります。
予防策:ごみはやさしく拭き取り、汚れのあるイレイザーは使用しない
表面が皮脂やほこりで汚れていた
ホワイトボードに皮脂やほこりが付着し、そこにマーカーのインクが混ざって乾燥すると、イレイザーでは落としにくい汚れになります。定期的に乾拭きや清掃をしないと、頑固な汚れが蓄積してしまいます。
予防策:時々乾拭きや水拭きで汚れを取り除く
《イレイザーが原因の場合》
イレイザーに汚れや劣化があった
イレイザーに汚れが溜まっていると、消す力が低下します。また先にも書いたとおり、汚れがこびりついて固まったイレイザーはホワイトボードに傷をつける危険があり、その傷にインクが入り込むと落としにくくなります。
予防策:劣化したイレイザーは使用せず、イレイザーの汚れを取り除いておく
ホワイトボードの汚れの清掃方法
予防対策をしっかりとしていれば、ホワイトボードの汚れが落ちなくなる危険は軽減されるはずです。それでも経年劣化などでどうしても汚れが残ってしまうことはあります。そうした汚れに効果的なホワイトボードの清掃方法をいくつかご紹介します。
清掃の簡単ステップ
多少の汚れなら、固く絞った布で水拭きをすると落とせます。水拭きした後は乾拭きをしてしっかり水分を取り除きましょう。水分が残っているとホワイトボード表面のコーティングを傷める原因になります。また、水拭き自体がホワイトボード表面のコーティングを傷める可能性があるため、あまり頻繁に行うことはおすすめしません。毎日の掃除は乾拭きだけにとどめ、水拭きは1~数ヶ月に1回にしておきましょう。
水拭きをするときは、強くこすったりメラミンスポンジなどを使用しないでください。汚れと一緒にコーティングを剥がしたり表面に傷をつけることがあります。
水拭きでも落ちない頑固な汚れや、油性ペンの汚れはアルコール・エタノールや除光液をしみこませた布で拭くときれいになります。しかし、水拭き以上にホワイトボード表面のコーティングを傷める危険があるため、エタノールを水で薄めたり、アルコール濃度の低いものを使うなど工夫をしてください。また頻繁に行うことは避けましょう。
使用時は、先に目立たない端のほうで試して問題ないことを確認してください。
それでも取れない場合は市販されている専用クリーナーを使って清掃しましょう。
メンテナンスも大切
イレイザーの手入れ
定期的に新しいものに取り替えるか、クリーニングが可能なイレイザーは水洗いします。
頑固な汚れには中性洗剤を使うと有効ですが、中性洗剤を使用した場合は洗剤が残らないようにしっかりと水ですすいでください。洗った後はしっかりと乾かしましょう。
ホワイトボードのコーティングを復活させる
ホワイトボードのコーティングを再生させることができるコーティング剤が市販されています。長期の使用や水拭き・アルコールを使用しての掃除で剥がれてしまったコーティングは、これを使って復活させることができます。
ホワイトボードが汚れる原因と予防対策、汚れてしまった時の清掃方法について説明してきました。汚れてしまってもうダメかな?と思ったホワイトボードも、一度この方法で清掃してみてください。見違えるように綺麗になるかもしれません。
普段の使用や掃除で予防対策をし、大掃除などでしっかり清掃しておくと、ホワイトボードの寿命はぐっと長くなりますよ。